次世代省エネ型の重量物船を建造~背高・長尺・大型の貨物にも対応~

2019.8.26

当社は、中国の招商局集団有限公司(China Merchants Group Limited)傘下の造船会社である南京金陵船厂有限公司(NANJING JINLING SHIPYARD CO.,LTD)と次世代省エネ型重量物船2隻の建造契約を締結しました。

本船の特徴は下記の通りで、様々な貨物輸送ニーズへの対応が可能です。

・ 400トンクレーン2基を備え、2基同時に吊ることで最大800トンの重量貨物を積載可能。

・ 1ハッチ・1ホールド船で、ホールド形状は効率的な荷役・貨物ダメージが起きにくいオープンハッチ・ホールドを採用。

・ オンデッキ長さは約110m、インホールド長さは最大約95mを有し、風力発電用ブレード等の長尺貨物をオンデッキ/インホールド共に積載可能。

・ ハッチカバーを開けたままでの航行が可能なHatch Coverless仕様を採用した上に、ブリッジを船首に配置したため、航行中の前方視界を気にすることなく背高大型貨物を積載可能。

・ 中甲板(ツインデッキ)の高さは、積載貨物に応じて2段階の高さに変えられる可変式を採用。

・ バルク貨物の多艙積に対応するため、中甲板をホールド内に立て簡易式バルクヘッドとして使用できる構造を採用。

また、下記の通り環境に最大限配慮した次世代省エネ型重量物運搬船となっております。

・ 日本の舶用機器メーカー各社の協力も得て、同型既存船と比較し大幅な燃費低減を達成。

・ GHG(温室効果ガス)排出規制であるEEDI(エネルギー効率設計指標)に関しては、2025年以降の契約船に適用されるPhase3レベルを先取り達成。

重量物船マーケットはリーマンショック以降長らく低迷してきましたが、昨今の環境志向の高まりにより風力発電プラント貨物やLNGプラント貨物の荷動きが活発となってきており、市場ニーズに応えるべく本船の建造を決定しました。本船の保有・運航によって重量物船の技術的ノウハウを維持・蓄積し、日本唯一の重量物船社として、プラント貨顧客のニーズにお応えしていく所存です。

<本船概要>

・全長 :約138.00メートル

・全幅 :約 23.60メートル

・深さ :約 8.30メートル

・載貨重量トン数 :約12,470トン

・クレーン :800mt (400mt x 2)

・船籍 :パナマ

・竣工:2021年8月、2022年1月予定